あなたの部下がゆとり世代で「びっくりするほど仕事ができない。」そんな部下に手を焼いてはいませんか?
本記事では、
- 仕事ができない・やらない
- 言われたことしかやらない
- 責任感が無く打たれ弱い
- プライベートを優先する(有給・定時帰り)
- 謝罪をメールで済ます
といったゆとり世代への指導法・対処法について解説します。
ゆとり世代と一括りにされて、ネガティブな印象をもたれていますが、ゆとり世代は「自分から進んでゆとり教育を受けてきたわけでは無い」ことをまず理解していただきたいです。
ゆとり教育は、政府が実施した政策で学校教育に問題があっただけです。
人口減少が進み人材不足が嘆かれている中、新たに入社してくる新入社員の多くはゆとり教育を受けてきたゆとり世代です。
ゆとり世代を一括りに否定するのではなく、お互いに理解し、即戦力として育てていかないといけません。
これからの未来を創造していくのは、紛れもない「ゆとり世代」だからです。
本記事の内容は以下の通りです。
- ゆとり世代が誕生した理由
- ゆとり世代の特徴
- ゆとり世代の指導法・対処法
くわしく解説していくのでぜひご覧ください。
ゆとり世代が誕生した理由とは?
ゆとり世代というのは、1987年〜1995年生まれの人々が対象とされます。
ゆとり世代の背景には主に
- ゆとり教育による学力と競争意識の低下
- ITの普及によるコミュニケーションの変化
があります。
ゆとり教育は2002年度から2010年度まで行われていて、以下の施策が実施されました。
- 授業数の削減
- 週5日制度
- 授業内容の軽減(台形の面積の求め方を省かれるなど)
このように事業内容や事業時間が減らされた背景には、「自分で考える力をはぐくもう」という目標が掲げられたためです。
しかし、その結果日本の学力順位は下がっていきました。
そして、ゆとり教育に移行する中で、「人と比べることをやめよう」「成績の順位を貼り出すことをやめよう」とする動きがあったため、ゆとり世代にはナンバーワンよりオンリーワン志向が色濃くなり、個人主義の側面が強くなったと考えられます。
コミュニケーション力の低下もゆとり世代に見られる特徴です。
ゆとり世代が学生の年齢の頃からITが急激な普及を遂げ、インターネットや携帯電話、SNSなどのコミュニケーションツールがゆとり世代のコミュニケーションの核となりました。
そのためかオンライン上でのコミュニケーションは、得意なゆとり世代ですが、直接の顔を合わせてコミュニケーションをすることが苦手です。
人と顔を合わせてコミュニケーションをする機会が少なくなったことで、人からの指摘に打たれ弱いです。
ゆとり教育で親や先生から叱られることなく育ったゆとり世代は、少し叱っただけでも萎縮してしまったり、良かれと思って注意したのに泣き出したり……とにかく叱られることに不慣れです。
そのため失敗をしたくないので、自主性や積極性がなく、職場では上司に具体的な指示をもらえるまで動こうとしません。
仕事ができないゆとり世代の特徴
学力の低下やコミュニケーション力の低下が見られるゆとり世代ですが、仕事ができないと比喩されています。
仕事ができないゆとり世代は以下の特徴を持っています。
- 言われたことしかやらない
- 責任感が無く打たれ弱い
- プライベートを優先する(有給・定時帰り)
- 謝罪をメールで済ます
言われたことしかやらない
ゆとり世代に見られる大きな特徴として自主性や積極性がないことです。
上司からの具体的な指示をもらえるまで動きません。
マニュアルを与えるとそつなくこなしますが、自分でもっと違うやり方を探すといったことはできないのです。
皮肉なことに「自分で考える力をはぐくもう」といったゆとり教育の目標の真逆の結果になってしまっています。
打たれ弱い
ゆとり教育の間に親や先生から叱られることなく育った、ゆとり世代は少し叱ったり、ちょっとした失敗でメンタルがやられてしまうほど打たれ弱いのが特徴です。
また、学校の体罰が社会問題になった時代背景もあり、先生達も叱りにくい環境になっているので、基本的に人に怒られるという経験が少ないのです。
上司に叱られただけで会社に来なくなった。こんなゆとり世代もいるとか。。
プライベートを優先する(有給・定時帰り)
ゆとり世代は、仕事よりもプライベートを優先する個人主義の考えをもった人が多い世代です。
団塊の世代では、家庭よりも仕事を優先し、長時間労働は当たり前の時代でしたが、ゆとり世代の彼ら彼女らは、ワークライフバランスという考えのもと仕事を1番に重きを置いていない人が多いです。
プライベートを充実させる為に
- 有給の消化日数が多い
- 定時帰りが多い
など、休日出勤、長時間労働が当たり前の世代とは価値観が全く違います。
団塊の世代などは、石の上にも3年、会社と結婚といった終身雇用の概念が軸となっていますが、終身雇用が崩壊したゆとり世代では、会社よりも個人に重きを置いています。
時代背景、社会情勢の影響を受けている結果なのです。
メールで謝ってくる
遅刻の連絡、欠勤の連絡、謝罪といった行為をメールで済ましてくる。これもゆとり世代ならではの特徴です。
ITが急激な普及を遂げたことで、これまで顔と顔を合わせて行っていたコミュニケーションが、インターネットやSNSなどのオンライン上に移行してきたことが大きな理由です。
オンライン上でのコミュニケーションは問題ないのですが、人と顔を合わせて喋るのがとにかく苦手なのです。
ゆとり世代への対処法・指導法
上記のような特徴をもつゆとり世代への指導に手を焼いている人も多いかと存じます。
ゆとり世代への対処法・指導法として以下の3つを試してみてはどうでしょうか。
- ゆとり世代を理解する
- マニュアルを与える
- 失敗を経験させる
それぞれくわしく解説していきます。
ゆとり世代を理解する
ゆとり世代を対処・指導していく為には、まずはゆとり世代を理解するところから始まります。
昔はこうだった、俺たちはこうやって成長してきた、など時代や環境というベースが全く違うのに自分たちのやり方を押し付けると逆効果にしかなりません。
ゆとり世代の彼ら彼女らの持つネガティブな特徴は、努力が足りないのではなくゆとり教育がもたらす弊害が大きいからです。
一方でゆとりには、強みもあります。
- SNS等を使ったコミュニティづくりが得意
- ICTを使っての情報収集スキルが高い
- 個性豊かな発想や若者ならではの視点を活かした企画力
現代は急激なスピードで社会が進化しています。実際、今の時代パソコンは運転免許証よりも必須のスキルです。
携帯やインターネットを子どものころから使ってきたゆとり世代ならではの強みを活かして、企業の戦力として活躍できる素質を秘めています。
時代が変われば価値観や考え方が変化するのは同然のことです。
ゆとり世代を理解することが、現代を理解することにつながるのです。
マニュアルを与える
ゆとり教育には「自分で考える力をはぐくもう」という目標がありましたが、実際のゆとり世代には自分で考えて行動する力があまりありません。
言われたことしかやらない。といった悩みを持つ方も多いと思います。
そんなゆとり世代にたくさん時間をかけ指導しても費用対効果は低く、自分の時間が奪われます。
そこで仕事のマニュアルを与えてみるのをおすすめします。
マニュアルを活用するメリットは、
- 時間が短縮される
- 品質が安定する
- リスクが軽減される
- コストが減らせる
といったポイントがあります。
何よりも大切なあなたの時間を確保することができます。
失敗を経験させる
ゆとり世代への指導法としてもっとも効果が高いのは、失敗を経験させることです。
人間は失敗や逆境を経験しても、そこから学び、その経験を糧にすることで成長していきます。
昔は、親や教師の指導が厳しく、あらゆるステージで壁にぶち当たることで鍛えられてきたのですが、ゆとり世代はゆとり教育のおかげで失敗をした経験が少ない世代です。
親や教師に叱られずに成長してきた彼らは、失敗から学んで来なかったのです。
失敗は学ぶ為に不可欠で、失敗は貴重なことを学ぶ絶好のチャンスです。
ゆとり世代は、失敗をしてこなかったことで、自分で考えて行動する機会が失われています。
彼ら彼女らを指導するには、失敗を経験させることが手っ取り早いです。
その為には、寛容さを持って接する必要があります。失敗するたびに厳しく指摘をしているのでは、そのうち失敗を避けていきます。
失敗して自分で解決法を探す。たくさん失敗してたくさん学ぶ。
失敗は成長に不可欠な要素なのです。
まとめ|まずはゆとり世代を理解しよう!
ネガティブな印象を保たれているゆとり世代ですが、ゆとり世代が持つ強みもあります。
仕事ができないやらないゆとり世代に手を焼いているなら
- ゆとり世代を理解する
- マニュアルを与える
- 失敗を経験させる
などの対処法・指導法を試してみてはどうでしょうか。
彼ら彼女らは、自ら選んでゆとり教育を受けてきたわけではありません。ゆとり教育という社会的現象がもたらした弊害以外の何者でもありません。
言われたことしかやらない、自分から動かないといった特徴も、失敗の経験が少ないという大きな特徴が影響しています。
まずはゆとり世代を理解して、たくさん失敗を経験させる。人間は成功よりも失敗から学ぶことの方が多いです。
- ICTを使っての情報収集スキルが高い
- 個性豊かな発想や若者ならではの視点を活かした企画力
といった強みが生きて、大きな戦力として活躍できる素質を秘めているのです。